災害時の人事について


 Q1. 労災保険未加入の事業場で、災害でけがをした社員の労災申請は?

 

 A1. 労働者を一人でも使用する事業は、労災保険の適用対象となります。そして、

    適用事業に該当すれば、事業が開始された日に自動的に保険関係が成立する

    ことになります。事業を開始して保険関係が成立した場合には、成立した日から

    10日以内に「保険関係成立届」を所轄の労働基準監督署長又は公共職業安定

    所長に提出しなければなりませんが、事業主が届出をせず保険料を納付してい

    なくても、労災保険関係は成立しており、業務災害に対する保険給付はなされ

        す。     

    ただし、労災保険に未加入中の労災事故について保険給付がされた場合には、

    国は事業主から次のものを徴収することとされています。

     ・2年間分の労働保険料

     ・追徴金として、上記保険料の1割

     ・未加入期間中の労災事故についての保険給付額の全部又は一部 

 

 Q2.災害で休業せざるを得ない場合の取り扱いは?

 

 A2. 労働基準法第26条で、「使用者の責めに帰すべき事由による休業の場合に

    は、使用者は休業期間中、当該労働者に平均賃金の60/100以上の手当を

         支払わなければならない」として休業手当の支払いを義務付けています。

    この使用者の責めに帰すべき事由に、震災等の災害による休業が該当するか

    ということになりますが、不可抗力によるもので使用者の責めに帰すべき事由

         はあたりません。

    具体的には、以下の考え方によります。

     ●事業場の施設・設備が直接的な被害を受け休業する場合

       休業の原因が、事業主の関与の範囲外のものであり、通常の経営者として

       最大の注意を尽くしてもなお避けることができない事故と考えられ、使用者

       の責めに帰すべき事由による休業には該当しない。

       従って、そのために労働者を休業させる場合でも、休業手当の支払い義務

               はありません。

     ●事業場の施設・設備は直接的な被害はうけていないものの、原材料の仕入

       れ、製品の納入等が不可能となり休業する場合

       原則として使用者の責めに帰すべき事由による休業に該当すると考えられ

       ます。

       ただし、休業が、①原因が事業の外部から発生した事故 ②通常の経営者

       として最大の注意を尽くしてもなお避けることのできない事故の2つの要件を

       満たす場合には、例外的に使用者の責めに帰すべき休業には該当しない

                と考えられます。具体的には、取引先への依存度、使用者として休業回避

                のための努力等を総合的に勘案して判断されます。

     ●計画停電が実施され、停電の時間中を休業する場合

       使用者の責めに帰すべき事由による休業には該当せず、休業手当を支払

       わなくても労働基準法違反にはなりません。

       また、計画停電時間帯以外の時間帯についても、他の手段の可能性や休

       業回避のための努力等を総合的に勘案して、計画停電の時間帯のみを休

       業すること が、企業経営上著しく不適当と認められる場合には、休業手当

               を支払わなくても労働基準法違反とはならないと考えられます。